古の文化に学ぶ生活の知恵”ひも”の効能
無事イベントが終了いたしました。ご参加いただいた皆様、ありがとうございます。
イベント当日は連日の猛暑で本当に暑く、そんな中ご参加いただいた皆様には感謝の気持でいっぱいです。
今回行ったセミナーはヒモトレというテーマになります。
ヒモトレとは、直径5~6mmの丸いヒモを体に軽く巻くだけで、コリや疲れ・痛みなどが軽減または解消される。体の動きが軽くなる。といったものです。
まず山伏である長谷川智先生が修行の際に身につける装具についてお話をされました。
見ておわかりの通り、古来からの装具にもたくさんのヒモを身に着けています。これらにも、それぞれ深い意味や効果があることを丁寧に教えてくださり、とても興味深いものでした。
山伏が身につけている装具にはそれぞれ”宗教的な意味”と”実用的な理由”があるといいます。
例えば、長谷川先生が額につけている頭巾-ときん-と呼ばれるものは、邪気が入らぬためと、また急所である額を守るためでもあるようです。
また、装具の螺緒-かいのお-と呼ばれるヒモは腰に巻き、足には脚絆-きゃはん-(すねに布を巻きヒモで止めるもの)があります。ヒモトレでは、腰や足にヒモを巻き、腰痛を緩和したり足のむくみを取るなどの効果があります。
長谷川先生は、「古来の人はすでにヒモの効能に気づいたうえで、身につけていたのかもしれない。」ともおっしゃっていました。
いよいよ本題のヒモトレについて、日頃からご自身も愛用されているウィアム・リード先生よりヒモの使い方についてのレクチャーです。
リード先生は普段からもジャケットの下にたすき掛けをして生活をしているそうです。その結果、先生ご自身が体感されている効果や変化などを誰もが身近なシチュエーションに感じる、とても説得力のある内容で教えてくださいました。
ただこの時点では、それが本当にヒモの効果であるのか・・・?と参加者の方々はまだ半信半疑といったかんじではなかったでしょうか。
ヒモトレには安定感・柔軟力・判断力・瞬発力・適応力など大きく分けて5つの効果があるといい、そのテーマ毎に実際の動きの変化を交えながら丁寧に教えてくださいました。
「私たちは毎年歳を重ねていくが、ヒモトレにより、いくつになっても自分の身体を安定させることができる。」
と、いつになく力強くおっしゃっていたのが、とても印象的でした。
実際に参加者の方々にも、それぞれの効果をヒモありの時と、ヒモなしの時でくらべて体験してもらうと、特に安定感や柔軟力に大きな変化がでた方が多くみられました。
その場に居合わせた私も驚きましたが、一番驚いていたのは大きな変化を目の当たりにした参加者の方々でした。
ある方は普段の可動域より大幅に腕や足を動かすことができ、ある方は手首の痛みが軽減されたり、
ある方は驚異的な瞬発力が発揮されたり、効果は人それぞれでしたが、大なり小なり何かしら変化・効果を感じていただけたのではないでしょうか。
たった一本のヒモで変化があらわれる。ヒモトレについては科学的根拠はまだないのですが、解明されるのも、そう遠くない未来ではないのかなと思います。
これぞまさに古き良き文化を、現代版にリバリューしたものなのでは。
ヒモでコリや痛みが解消されると冒頭で書きましたが、身体の不調にじっと耐えるのは辛いもの。つい薬などで対処しがちですが、ものは試し、ヒモトレで日常生活をより豊かなものにしてみてはいかがでしょう。
この度はご参加いただいた皆様、ありがとうございます。
ご協力くださいました甲府市教育委員会・歴史文化財課の職員の皆様ありがとうございました。