日本文化から学ぶマインドフルネス
~第一回 写経~
当日は、感染予防のための換気などをしながら、無事イベントを終了することができました。
改めまして、お越しいただいた皆様、ご協力くださった関係者の皆様、ありがとうございます。
マインドフルネス軽減法、マインドフルネスと禅。
また、ウィリアム・リード先生には氣の呼吸法や、写経の効果についてご指導いただきました。
”呼吸の回数は決まっている”
人は一生のうち呼吸をする回数は、おおよそ5億回ではないかと言われており、
インドでは「1日に長い呼吸で回数が少ない者は長生きをし、反対に短い呼吸を回数多くする者は短い年数しか生きることができない」と伝えられているそうです。
さらに、日本語の「長生き」という言葉は「長息き」という意味も含まれているのだとか。
“心が苦しくなると呼吸が短くなる”
人は何らかのストレス状態のとき無意識に呼吸が短く(浅く)なり、その反面呼吸を長く(深く)することにより落ち着いておおらかな状態に導くことができるそうです。
イベントでは、1分間安静時の呼吸を計ってみました。その結果、参加者のほとんどの方は成人平均の12~18回ほどで、突出して呼吸の短い人や、長い人はいなかったようです。
“おどろきの1回”
生きて行くうえで必要な動作の1つである呼吸。
古武術や書道においても呼吸はとても重要視されており、合氣道などで日頃より鍛錬しているリード先生の呼吸はなんと驚きの1分間に1回でした。
私たちにはさすがにマネはできませんが、今よりも長い(深い)呼吸を目標にご指導いただいた呼吸法を実践してみました。
“印相(ハンドジェスチャー)を用いた呼吸法”
写真のように両薬指を互い違いにひっかける印(ハンドジェスチャー)を取り入れ、呼吸を行っていきます。
◇やり方◇
・背もたれを使わず背筋をまっすぐ椅子に座る。
・両薬指をひっかけ少し引っ張る。
(※力み過ぎないように。両腕は楽な状態で。)
・この状態で1分間呼吸をする
この方法で1分間測定した結果、何もしない状態より呼吸の回数が減少した方が多くみられました。
“日の出のように呼吸をする”
鼻から息を吸い、吸い終わったら3秒ほど余韻に浸りながら息を吐き始める。吐き終わったらさらに3秒ほど余韻に浸り、また息を吸い始めることを繰り返し行うことにより、さらに長い(深い)呼吸をすることができるそうです。動作の後に“3秒ほど余韻に浸る”とは、決して息を止めることではなく、まるで日の出のようにゆっくりと静かに自然な流れの中で息を吸い、そして吐く動作へと移行することだそうです。
“呼吸を意識する”
写経は、無心になることにより心身のリラックス効果があるといわれ、さらに脳内では思考をポジティブにしてくれるベータ・エンドルフィンという物質が分泌されているそうです。
呼吸法を意識しながら写経を行っていくことで、自身の心と身体をより良い領域へと導いてくれます。また普段の生活や様々な場面においてもこの呼吸を意識することでパフォーマンスの向上が期待できるでしょう。
今回写経した「華厳経一乗法界図(けごんきょういちじょうほっかいず)」は、華厳宗の初祖である義相の教え7言30句の合計210文字で、それを四角形に配置し中止から迷路のように読み進める形式(図印)にまとめた、とてもおもしろいものとなっています。
参加者様の中には210文字すべてを短時間で書き終えるという、驚異の集中力を発揮した方もいらっしゃいました。
CrossBeの広く開放的なスペースで、かつ適度な距離間隔でのびのびと行うことができたことが、またプラスに転じたのかもしれませんね。
次回、日本文化から学ぶマインドフルネスは「茶の湯」を予定しております。
イベント開催についての情報はCrossBeおよび合同会社和の杜のHP、またはFacebook等で随時お知らせをしていきます。