拓本という技術が過去を明らかにする。
芸術としてその書体を復元する。
埋もれてしまった歴史を保全する。
単に拓本作品としてそこに存在する。
宣紙の風合いに取り手のリズムで墨が広がり、
白く浮上った文字からは音楽が聞こえてくる。
オリジナルの石碑から一つの独立した作品として完結する。
眺めているとその内容を知りたくなる。
そして悲しい歴史に触れることになった。
経緯などを調べていくと憤りとやるせない気持ちが並走して溢れてきた。
国家、政治の渦に巻き込まれて、犠牲になるのはいつも市民だ。
私的な碑であるのでこれ以上の言及はせずにこれで終わりにしたい。
いずれにしても拓本の持つ可能性に気が付いた有意義な一日だった。
日野楠雄さん、ありがとうございました。
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